kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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日食の朝




 あの朝、今ちょうど金環日食を迎えていることに、木漏れ日の様子がいつもと違うのを感じて気づいた。それでもはじめは笹の葉の影だから三日月形なんだろうかと、まだわからなかった。散歩道にある畑の小屋に映っている木漏れ日に出合い、ああそうか日食だった、とようやく納得したわけだ。空に浮かぶまぶしい太陽を見つめた。直接凝視してはいけないと、報じられている警告を何度か見聞きしたが、日食でもなければ見つめる機会もない。目を細めると一瞬欠けているのが浮かび上がった、ような気がした。太陽の周りの空がうっすらと青いことにも気づいた。いつもならどんなに青空が広がる日本晴れの日でも白々としている、はずだ(確信が持てない)。このちょっとした違いに気づくためには、どうやら日常の細々をよく見て丁寧に暮らさねばならないようだ。明日は日食です、などと情報がなかった頃の人々は、こんな違いをどんなふうに感じていただろうか。驚き、不吉な予感に惑い空に手を合わせただろうか。それとも地に伏して、不可思議な木漏れ日に触れただろうか。舗装道路に映った影の自分を見つめた。周りがぼんやりと滲んでいた。まるで融けていくみたい、と思った。



































| 06:23 | 日々のカケラ | comments(1) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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