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2011.12.27 Tuesday
kazesan calendar 2012
知人からの問い合わせに応えて、久しぶりに kazesan calendar を作りました。この十年あまり通った白山の写真で構成しています。並べて、こんなに何度も登っていたのかと自分で驚きました。物忘れの激しい年齢なのに、霊峰のひとときばかりはどの瞬間も鮮明に覚えています。大勢の白山愛好家に混じって、ぼくにとっても白山はこの人生のもっとも大切な場のようです。素人には冬の登拝は叶いませんが、魅せられた山にどこまで深く分け入ることができるものか、残りの日々の多くを費やすつもりです。
ご希望の方は、
メールでお知らせください
。プラスチックケース入りの12枚組で、1部 1,500円です。売り上げの半分は「福島の子どもを守ろうプログラム」に寄付し、あとの半分はマスノマサヒロの撮影活動の資金に充てます。
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2011.12.25 Sunday
パパ
「かのん、パパにいてほしい」と、ぽつりと小さな声が聞こえてきた。クリスマスのプレゼントを届けに行ったイブの夜、久しぶりに孫娘と遊んだ。帰り際に小さな祭壇を置いてあるだけのパパの部屋に入り、手を合わせている時だった。婿が亡くなって一年あまりが過ぎた。三歳半でもうパパのいないことを意識し出したのか。かのん、ジジイの胸もつぶれそうだよ。
死は、避けられない。後先さえも意のままにならない。死んで行くことへの恐れなどあまり感じなくなっているけれど、遺された者を思うとたまらなく辛くなる時がある。何の力にもなれない。
母ひとり子ひとりになった娘は、自分の気持ちを前に出し、ひとりで懸命に生きようとしている。ジジイの力などもう必要なさそうだが、切なくなるほど頑張っている姿を前にすると肩のひとつも揉んでやりたくなる。親子なのに、いや、親子だから見ていることしかできない。だったら、じっと見ようではないか。見守るなどというしたり顔した曖昧な態度ではなく、じっと目を凝らして見つめるのだ。つぶれるほどに、深い目を持て。見守ることなら、天国の婿殿が片時も休まずに続けているにちがいないから。
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2011.12.21 Wednesday
東京ノ森
バスを降りた早朝の新宿を歩いた。懐かしい西新宿。学生時代のアパートがあった辺りをウロウロしながら、なんでこんなに新鮮な気持ちになるのか、立ち止まっては考えた。答えはたぶん、見つめようとしているからではないか。たとえば東京の街路樹には名前が付いている。名前と言っても番号だが、3009 R03-01-A02-01のこれは欅だろうか。個人名を知って見上げると、都会の主は実は樹々なのかもしれないと思った。高層ビルを譬えたコンクリートジャングルのことてはなく、本当に東京も森だった。植物たちがそれを喜んでいるものかわからないが、見えない大気の成分をいくらかでも動物たちと交換しているだろう。静かに、人知れずに。成子坂では、「鎮守の森は私有地じゃない。30階建てのマンション建設反対」の壁新聞を見かけ、立ち止まった。成子富士浅間神社のかつての境内の一部がまだ残っていた。昔はここも森だったと、誰かが覚えているだろうか。見つめていると、事の善し悪しではない、ただいまの其処にある姿がそのままで見えてくる。まるで境内の石像たちが見つめているように。
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日々のカケラ
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