kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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身辺整理

 

 取り憑かれたように、身辺整理。別に死を意識しているわけじゃないけど、ここらあたりが、一度きれいさっぱりするのにちょうどいい時期なんだと思える。二十年ほど前に「永久保存」と書いてしまっておいたポジが何千枚とある。改めて見直すと、なんでこれが永久なんだろうと首をかしげたくなるものばかりで、そのほとんどを捨てている。捨てると、妙に気持ちがいい。身軽になるとは、どうやら本当のことのようだ。それでもここまでの日々はいったい何だったんだろうと、ちょっぴり哀しい気もする。どんな経験も無駄なものなどひとつもなかったと、それは確かな信頼とともに感じてはいるけれど、残された人生の持ち時間に比べると、生きてきたそれはあまりに長く、あまりに自分が中心で空回りの日々だったような気がする。写真家に憧れ撮りつづけてきた。だがそれは単純作業に過ぎなかったようだ。作業かあ・・・、自分で書いておきながら寂しい。作業でも三十年も費やすと、それなりにいくらかの支えにはなっている。ここからまた歩き出そう。身軽になった分だけ、視ることに意識を集中できるだろう。




























| 19:54 | 日々のカケラ | comments(2) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
オダマキ

 

 犬も喰わない夫婦喧嘩をして今夜は仕事場に泊ろうと決めていたのに、「明日の強力粉がないから帰りに買ってきてくれない?」と、ずいぶん申し訳なさそうな様子で電話をかけてきた。「わかったよ」とぶっきらぼうにひと言だけ答えて切ってしまう、ぼくはどうしようもない亭主だが、スーパーに入るとすぐの花屋が目に留まった。閉店時間を過ぎていて店の人はもう帰ったあとだったが、そうだ、と花を買いたくなった。女房に花を買うなんて、何十年ぶりだろう。喧嘩はいつもぼくの方に非があることぐらい百も承知している。たまにはそのお詫びがあってもいい。清楚なピンクのオダマキが気に入った。380円。レジで支払うと、なんでか知らないがすこしウキウキしてきた。花の力は凄いもんだ。これからは、仲直りしたくなったら花を買うことにしよう。この花、君のイメージにピッタリだ、とか恋人時代なら言っただろうか。花言葉を調べると、愚か、なんていうのがあった。言われなくても分かってますよ。




























| 00:07 | 日々のカケラ | comments(0) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
あきおくん

 

 あきお君とご家族の、新しい一年のはじまりを撮った。利発な彼は一瞬たりとも静止していなかったが、子どもとは本来そういうものだと思えば、それに合わせて動き回って撮るしかない。ピンぼけなど気にしていたのでは、最高のタイミングを逃してしまう。記念写真は後々になって力を発揮してくれるものだろうが、ぼくはむしろ、今、という瞬間に全員で感動したかった。おとうさんが言った。「あきおは笑顔がいいよなあ」。ほんと、天真爛漫に笑う子だった。もちろん弾ける笑顔も撮ればいいのだが、このごろ感じているのは、人のさりげない表情や仕草の中に漂っている、そこはかとないその人らしさだ。それは高貴とでも言いたくなるような、人間が知らずに持っている気品のひとつ、だと想像している。もちろんそんなものが簡単に撮れるとは、もとより思ってはいないけれど、気づいていたい、とは思う。だから、ということは、全ての瞬間が見逃せないものになってしまう。決定的瞬間をねらうというような距離を感じるものでなく、どこまで深く対象にゆるしてもらえるか、または対象との間(あはい)に生まれた雰囲気の中にどれだけ共に浸れるか、が大切になってくる。写真とは、シャッターを押すだけではけして撮れないものだった。少しずつでいいから、撮れるようになりたい。
































| 14:51 | 写真 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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