kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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kazesan.net #006 己丑卯月
 

 ぼくにはどうしてもわからないことがひとつある。この幻の現世の、美しさだ。または醜さだ。なぜそんなものが存在し、それを人は感じるのだ。どうせ幻なのに、いつかは消えてゆく地球なのに、その前におそらく絶滅してしまう人類なのに。美しいものがあるから撮っている。醜いとされるものには、実はドキリとするほどの魅力がある。だがどちらも幻なのだ。どちらも見えているように感じているだけだとしたら、ぼくはいったい何を撮っているのだろう。ぼくという存在がまた、幻なのに。




| 20:14 | 写真 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
大嵐山
 

 こうも青空がつづくと、一日中でも山にいたくなる。白峰にある大嵐山(1204m)に登った。山頂が近づくと雪が残ってぬかるんでいた。おまけに傾斜が急で、途中で見かけた幼い女の子にはあまりに酷なものだった。近ごろは五十肩っぽいものや膝痛があって急に衰えを感じるけれど、登り始めるとなかなかに調子は良かった。山頂からは思わず歓声をあげてしまうほど見事な白山が拝めた。白き峰が手が届くほどに間近だ。この景色が望めるならまた登ってきたいものだ。

 それにもうひとつ、なんともうれしい空間に出会った。ブナ林だ。ブッシュがない今だから、誘われるがままに入り込んだ。去年の渇いた落ち葉がカサカサと歩調に合わせて軽快な音楽を奏でた。思わず歌が出る。歌詞もメロディもその場限りの自作曲。ブナの木たちと風だけが、もっと歌えと聴いていた。なんて贅沢なひとときだろう。平地を見つけて横になる。空を仰いでいると、いつの間にか眠ってしまった。去年も確か同じような一日を過ごしたことを思い出した。年に一度の、ブナに囲まれた豪華な昼寝だ。

 ここには今が盛りの水芭蕉園があり、道のあちらこちらにイワウチワも咲いていた。どこにでもある里山の風景だろうが、駐車場のトイレは美しく、ふんだんに流れ出す山の水場も木造りで整備されていた。地元の人たちの心が行き届いている。ほんとうに気持ちがいい身近な山だ。ああ、山の人になりたい。








| 19:51 | - | comments(0) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
世界にYES


 この数日、kazesanを訪ねてくれる方が急に多くなった。普段は百数十人のところになんと千人を越える数だ。アクセス件数の集計方法でも変わったんだろうと思っていたら、どうやらちがった。ランディさんがブログで紹介してくださっていた。

 「KAZEさんは、自分の写真のことあれこれと思い悩んでいるようだけど、どうしてかなあ。KAZEさんの写真はいつも世界を全面肯定しているよ。世界にyesと言っている。そういう写真だ。それはきっと、KAZEさんにしか撮れないと思うんだけどな。私はそう思う」。

 なんともうれしい。ランディさんは心にもないことは言わない方だ。その方が言ってくれた言葉をぼくは生涯大切にしようと思う。

 世界にYES!
  
 なんて素敵な響きだろう。憧れてしまう。ほんとうにそんな人間になって、そんな写真を撮りつづけてみたい。ぼくにうってつけのスタイルじゃないか。

 けれども、ことはそんなに簡単じゃないだろう。世界のなにをぼくは知っているというのだ。日々に文句が多すぎる。写真はそれらしくても、撮る心はどうなんだ。問題はいろいろありそうだ。生きている間にそれらすべてを越えて、自分の内に取り込み、その上でYESと言ってこそ本物になるだろう。たどり着くものか、それはぼくにはわからない。だが、わからないからこそ、生きて、撮りつづけることができる。人生に目標が欲しいとは思わないけれど、撮りつづけたい者に、カメラを携えて歩く方向があるのはありがたい。世界にYES。オバマ大統領じゃないけれど、YES I CANだ。

 これは、生き方のことだ。世界にYESと言うのなら、まずは自分をYESと肯定すべきだ。なにがあってもこの人生を肯定し、大手を振って歩くがいい。

 ほんとうにありがたい。そっと励ましてくださった。





| 18:14 | 写真 | comments(5) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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