kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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雪にうもれて
 このごろの雪は、やさしく降り積もって、しかもあったかい。今朝は秘密の原っぱまでの道のりがきれいで何度も足を止め、原っぱがまた美しく、3時間もの散歩になってしまった。ふんわりと雪に埋もれて寝ころぶと、空の白を背景にいくらかグレーがかって見える雪が、ぼくの身体を包むようにして降りてきた。ひらりひらりと、何百万もの雪だ。はるか上空の寒気団が降らせている、信じられないほどおびただしい数の雪。その中のたったひとひらが顔にふれ、すーっと瞬く間に融けていった。これはほんとうに天からの手紙なのかもしれない。ひとつとして同じ結晶がないのだと、中谷宇吉郎博士は言った。ぼくの顔で融けた雪は、どんな言葉を運んできたんだろうか。

 また思い出した。原っぱはぼくにとっての楽園だが、数日前の朝、いきなり一匹の大型犬が走り込んできた。散歩の途中にリードから解放されて喜んでいるんだろうが、とっさのことに少したじろぎ、身構えた。猟犬で、尻尾も振らずに吠えている。もしも襲ってきたらと、想像した。カメラを扱うのに右手は大切だから、左手を犠牲に噛ませて、倒れながら肋骨を蹴って砕いてやろう、とそこまで考えた。犬が嫌いなわけではないけれど、向かってこられると恐くなる。離して散歩なんかするなよ、と姿を現さない飼い主に憤りを感じた。犬は吠えながら、振り返りつつ、やがて視界から消えた。


 静寂がもどってきた。けれど、ぼくの心の醜い一面は残ったままだ。すぐに人を批判してしまう。批判しないでおこうなどというのは、それは無駄な努力かもしれない。批判は抑えられるものじゃない。もっと根深いところにある性根を正さないと、どうしようもないのだと感じている。これはぼくの変わらない一面なんだと思う。

 他を責める気持ちがあるかぎり、世の中から戦争はなくならない、というのでは突飛だろうか。先日観た「母べえ」の中で、戦時中だから華美にしないようにと、市民が市民を取り締まるように呼びかけるシーンがあった。最初は穏やかに願うような態度だったのが、エスカレートする内にまわり中で非国民呼ばわりしていた。戦争は戦地だけでなく、ひとりひとりの内側でも起こっているのだと思った。

 ぼくの中でもだから、ときどき戦争が起きる。人を批判し、それが高じればやがて責めるだろう。静かな原っぱで安らぎながら、ぼくの中味は本当の安らぎを知らない。顔に融ける雪の言葉は、いったいなんだろう。性根を正す特効薬の処方でも伝えてくれないものだろうか。雪の言葉はわからないけれど、埋もれてゆくのは、それでもほんとうに気持ちがいい。

 



| 20:27 | 日々のカケラ | comments(5) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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 この冬は、冬という季節が大好きになりました。去年あたりからあまり降らなくなった雪ですが、ほんのり薄化粧した身近な風景が美しく一変する中で、ぼくの心もいくらか変わってくれたようです。毎日大したこともなく過ぎてゆく日常と、おそらく大したこともせずに終わってゆく人生を思いながら、雪にうもれてみたのでした。楽しければいい、というような安易な言葉を簡単に口にしたくはないし、楽しめない日々というのも寂しすぎる。要するに、自分の心持ち次第だとは思いますが、雪にうもれていると、心持ちがどうのというのも、大した問題じゃないないなと思いました。雪が静かに舞い降りてくるように、人もこの地上に降りてきたのだと、そんな想像を楽しむ冬です。
posted by kazesan | 2008/02/11 1:54 PM |
雪がやわらかに降り積もってゆく美しいお写真〜♪
こころがシーン となってまいりますね。

自然はいつのときもほんとうにやさしいなって思います。

痛みでしかなかった日〜
枝々をやさしく覆ってゆく〜そんな雪の風景にとても慰められました〜わたしも〜♪
posted by かぜのあや | 2008/02/10 12:16 PM |
心にしみる言葉です。。
雪はあたたかい。。。
北海道生まれなので、実感。

そして、自分の中で起きる戦争..
埋もれてゆくのは気持ちいい。。

心ひとつ。心ひとつ。
いつでも、どこでも。
今。
posted by まりりん♪ | 2008/02/09 9:25 AM |
人は結局、自分自身の意志以外は変えられないのでしょうね。。
変えられないものを、こうあってほしいと願う事から、苦しみが生まれる。

変えられるのは、自分の心ひとつだとわかったとしても、
その自分の心ひとつ変えるのにも、なかなか骨が折れるし。

普段自然の少ない場所にいる私は、
心の中で戦争が始まると、温泉へつかりに行きます。
すぐに戦争はなくならないのだけど、
「まぁ、いいやん」
と、いったんリセットされるようで。。

自然の言葉って、
「気持ちがいい」と感じる事だけで、充分なのかな。。
posted by bee | 2008/02/08 9:49 PM |
安らいでる心と 安らげない心。背中合わせにして、きっとひとつ・・でしょうか。
雪や風や、自然の・・言葉にならない語りかけが、たくさんのこと伝えてくれるのですね。
安らぎを忘れていたら、そっと思い出せるように・・って。
posted by Shino | 2008/02/08 8:59 PM |
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