kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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月夜の晩に
 




 月があんまりきれいだから、パイプ椅子を持ち出して、片手には焼酎のお湯割り。しばらくひとりの静かな観月会を楽しんだ。観月会という呼び名は本土ではあまり聞かないけれど、若い頃住んでいた八重山では割と頻繁に開かれお呼ばれしたものだ。たとえば庭先で、または舟溜りに車座に座って、とにかく月を口実に酒を飲み、三味線に合わせて歌い、共にひとときを過ごした。懐かしい。昔を思い出すには、月夜の晩がふさわしい。

 この数日、ガイアシンフォニーの上映会を終えて感じていることを書き留めようと思いながら、手を付ける気になれなかった。事を終えてその成果を求めるような気持ちに気づいて、書いたところでウソっぽい気がした。いくらかでも福島の子どもたちのためになればと開いた上映会は、開いただけで十分に成果はあった。それ以上なにを求める必要があるだろう。

 ガイアとは、この地球のこと。ガイアシンフォニー第四番の出演者のひとり、ジェームズ・ラブロック博士が「ガイア理論」というものを初めて提唱し、今では大勢の人が自分の狭い領域から飛び出して、世界のこと、果ては地球や宇宙のことにまで意識を広げた生き方を実践しているようだ。そう簡単には真似のできないこの凡夫には、映画で紹介される人たちの生き方や言葉は、正直どうにもまだまぶしすぎて縁遠い。

 ガイア理論は、地球をひとつの大きな生命体と考える。ラブロック博士は言う。「我々人類がこの地球に誕生したことには、大きな意味があると私は考えます。それは多分、ガイアが我々の目を通して自分がどれほど美しいか、を見るためです」。それが正しいのかそうでないのか、というより、そうだと考えた方が人間の生き方として美しいだろう。生まれきたこと、生きていることに、十分な価値を見い出せる。

 ただ、意味なんて必要だろうか、と時に感じることがある。生まれて来たことの意味、生きていることの意味。意味、意味、意味・・・。意味なんてあろうがなかろうが、生きて生かされて、一日ずつ死に向っている。半世紀も生きてしまうと、もう何人もの大事な人を見送った。死がとても身近だ。次は誰だ、自分かもしれない、などと考えてもみる。死の順番をついている。その列の先が見えてくると、こんなご時世に長生きしていたいとも思わない。それでも、このまま死んだのでは、生きているってこれだけ? という気がしないでもない。やっぱり、意味が欲しいんだろうか。

 友人がお裾分けしてくれた梅干しと、妻が作り置きしてくれたみそ汁で、今夜はひとりの晩飯だった。粗食が性に合うのか、しみじみ旨かった。この程度で感じるのもどこかうら寂しいけれど、幸せでもあった。人は、決してひとりでは生きていけない生き物だろう。誰か自分ではない人がいてくれて、だからこれが自分だとわかる。今は、そればかりしかわからない。

 もしかすると、地球という生命体は、寂しいのかもしれない。他と離れてひとりぼっちで宇宙に浮かんでいる自分を哀しんでいる(なにを馬鹿な、いい年してメルヘンチックなことを・・・、けれど生命体ガイアに感情があるなら)。美しい月を見つめていると、なんだか月まで寂しがっているような気がした。(ほんとうは、だあれも意味なんてわかっちゃいないんだよな、ね、お月さん)。




































| 22:50 | 日々のカケラ | comments(1) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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Comment








こんばんは。

「人は、決してひとりでは生きていけない生き物だろう。誰か自分ではない人がいてくれて、だからこれが自分だとわかる。」
とても共感しました。
本当にひとりでは、生きていくことは出来ないなと思いました。

ひとりで出来ることって本当に限られています。
ひとりだと笑う事もなく、泣く事もなく、。何か好きで何が嫌いか分からない。反応が返ってくる事で自分を知り、そこで幸せを感じる。不思議な生き物。
そして誰かの笑顔のため。笑ってくれる、それが幸せ。

大切な人の笑顔を私はずっと見ていたいです。
手を繋いでいたい。ただそれだけな気がします。
posted by yurieue | 2011/11/12 11:25 PM |
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