kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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いのちの相
 




 東本願寺で開かれた「死といういのちの相(すがた)」と題したシンポジウムなるものに参加した。かけらほどの信仰心もない者が、親鸞上人七百五十回御遠忌の一環の、しかもシンポジウムなどという形式も柄じゃないのに、とは思いつつ、それでも会の顔ぶれには大いに関心があった。田口ランディさんの講演、加えて帯津良一さん、藤原新也さんのお三方には、意識の深さ、レベルの違いはいかんともしがたいけれど、同じく人生を意識的に歩こうとする同志として、大いに刺激を受けている。だから、話を聞きたいというより、その場が生み出すだろう雰囲気、つまりは気というエネルギーを身体で感じたいと思った。

 そして、まさにその場でしか感じられないものが、ある、否、あったのだ、と今回ほど痛感したことはない。ランディさんの話は、以前にも少し聞いたことがある家族とのまるで闘いのような関係と死がテーマだった。最後の方で、「家族のことをこういう形で話すのは、これを最後にしようと思います」と言い、感極まってか涙を浮かべながら絞り出すように語られる姿に見入りながら、というより、共に涙しながら、熱き生の実感、というものを共有しているのだと思った。

 シンポジウムもまた、実に生きていた。コーディネーターの大谷大学教授はその役目としてある方向にまとめようとはされたものの、だいたいがいのちなるものの謎の解けるはずがない。謎は解けないから謎なのだ。ランディさんもみなさんも、頭に用意してある言葉ではなく、そのとき生まれてくるものをなんとか言葉にしようとして、感じながら考えながら話されている様子だった。

 明快に結論を導き出すような人や言葉などは、もはや信頼に値しないものだと、このごろ感じている。たとえばビジョンを持つとか描くとか、などということにさえ、どこか浅薄なものを感じてしまう。人生をどう生きるのか、という前に、人生とは何か、ということがわからないなら、何を描けるというのか。

 ランディさんがそうだというわけではないけれど、七転八倒しながらも気がつけば本物らしきものにいくらかでも近づいていた、というような生き方がいいと、講演を聴きながら改めて思った。謎を謎のままに、その時その場で感じている心のままに、ひたすらに、懸命に、ときには放り出し、立ち止まり、後戻りし、呆れ、諦め、また立ち直り、なぜか離れられないつながりの中で繰り返す果てにも、必ずやたどり着ける場所が用意されているのだと、思った。ランディさんはまさに、人間といういのちの相(すがた)そのものだと思った。

 生と死を切り離して考えることはできない。けれど、死をいくら考えても、生きている間にそれを体験することができない以上、わかりようがない。死が、人間にとって何であるのかわからないのに、それとひとつの生が何であるのか、わかるものだろうか。この永遠とも思える生と死の謎を、だがいま、ここにこうして生きている。不思議だ、驚きだ。京都で得たこの感覚を、大事に、大事に。































| 15:41 | 日々のカケラ | comments(2) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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Comment








わあ、驚きです。お隣の方が、いくちゃんだったとは。あまりに近くてお顔を直視することもできず、けれどもお隣同士というのは、やはり近い分だけ意識するものがあるようで、いま思い出してもなんとなく感じられた雰囲気というものが蘇ってきます。それにしても、あの場、味がありましたね。知らずに共有していたなんて、それもまた味わい深いです。
posted by マスノマサヒロ | 2011/05/16 10:47 PM |
私もあの場にいました。
ランディさんに会いたくて。
言葉のひとつひとつが深いところに沁みてきました。
やはり潔くて誠実な人でした。
風さんのこのブログに辿り着いたきっかけもランディさんです。
昨日の会場でひょっとして風さんは一番前の席で始まる前に本を
開いていた私の隣にいた方ではないかしら?
なんとなく、今そんな気がして・・・。
posted by いくちゃん | 2011/05/16 8:06 PM |
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