kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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銭湯

 

 このごろ娘の家への行き帰りに、毎日のように温泉に立ち寄る。平成の大合併に反旗をひるがえした小さな町が運営している巨大な銭湯で、おとなひとりが二百円。ついに一回おまけの回数券まで買ってしまった。檜と岩風呂、ジャグジーの三つの湯船を合わせれば、つめこんで二、三百人は入れそうだ。安いから人気があるのか、入ったことはないけれど、おまけにサウナまでついていれば、だれだってごひいきにしたくなる。ただ洗い場は少なくて、ときおり順番待ちの列ができる。石けんもシャンプーを使わないのだから、それを横目に痩せ細ったからだを湯船の湯でこすって済ませているけれど。

 土曜の夕方、混んでいたのに、ひょいとばかりいくつか空きが出たので鏡の前に座った。どこから洗うんだと、小学生の息子に頭にごしごしと手をやりながら父親が聞いた。息子がまだ答えていないのに、上から洗う方が合理的やろう、とのアドバイス。下から洗うとせっかくきれいになったところへまた石けんが流れてくるというのが理由のようだ。そんなものかと、どこから洗いはじめているだろうか考えてみたが、どうやら定まっていない。鏡をのぞけば、いつものいい加減な、定まっていない顔が映っていた。いくらかでもましになるだろうかと、顔からこすってみた。

 脱衣場の鏡の前に行くと、あごひげが白くて雰囲気のある老人が少女の長い髪にドライヤーをあてていた。腰が曲がっている。自分の世話さえ面倒だろうに。少女は知らん顔して、鏡の中の自分を見ていた。会話のない風景だったが、いつか近いうちに孫娘といっしょに来る日があるだろうか、などと思いながら、しばらくちらちらと見ていた。銭湯は面白い。いろんな裸がなじみになる。裸のつきあいかぁ。案外大切なことなんだろうと思った。































| 11:11 | 日々のカケラ | comments(0) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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