kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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心で伝える

  1975 Ueno Zoo

 手がすこし動いていますねと、看護士さんが小さな変化を見逃さず伝えてくれた。豊の足を揉みながらその足を話題にしていると、ほら、足が動いたよと亜湖が言った。ただの痙攣かもしれないが、ほんの小さな動きの中に、眠る人の生命力を感じ、ふたりで歓声をあげた。「豊はぜんぶ聞こえてるね、ぜんぶわかってるね」と、確信に満ちた娘の言葉に、おやじも自信を持ってうなずいた。豊は今、できる精一杯の方法を使い、渾身の力をこめて返事をしている。それは希望的な見方などではなく完全な事実なのだと、今なら思える。

 痛ければ手を当てるなどして、人は自然に動いている。この当たり前の動作が完全に静止している豊のそばにいると、なぜか見えないはずの心の動きが見えてくる。それがひとりよがりな感覚だとしても、いっこうに構わない。心の動きは、それを感じた人の心にそれぞれの感覚として生まれ変わり、伝わる。古の人は、その心をこそ使い伝達し合ったのではなかったか。そんな想像をめぐらしながら、豊に話しかけ手を当てている時間には、ふれあうことの妙味とも言える豊かさがある。眠る豊の心が動き、それを感じ取れるなら、だれの心の動きも見逃さないでいられるのかもしれない。






























| 07:47 | 日々のカケラ | comments(0) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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