kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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聞こえる写真
 幼馴染みのマーちゃんが写真の大好きな友人に会ってくれというので、写真集やポストカードなども持参して集合場所の社会福祉センターへと出かけた。相手の方は、藤沢さんという七十四歳のおじいちゃん。と言っても、お互いの写真を見せ合いながら会話を楽しんだ一時間あまり、ずっとニコニコとして笑顔を絶やさない、ぼくなどよりはずっとお若い気持ちの方だった。マーちゃんと藤沢さんは手話を交えていろんな話題に花を咲かせた。藤沢さんは耳が聞こえない。ぼくはと来たらふたりの間にはさまって笑っていることが仕事のようなものだったが、それでも一応は「プロに会えた」と喜んでもらえたようだ。

 市内を流れる犀川のほとりで撮ったという、雛をねらって舞い降りるトンビとそれに立ち向かう親ガモの写真を、藤沢さんは一番はじめに見せてくれた。お気に入りの一枚のようで、地元紙の投稿欄でその月の一席を受賞した作品だった。鳥たちの一瞬ごとの動きをジェスチャーまじりで細かく解説してもらいながら、ぼくは聞こえないということが撮る上でどれほどのハンディになるものかと想像していた。大体が、ぼくは耳を使っているだろうかと、そんなことも思ったりしながら。



 目と耳がある。撮ることは見つめることからはじまるだろうから、目には大きな働きのあることは疑いようはないけれど、写真から音を感じるということも時としてある。聞こえない藤沢さんがとらえた親ガモも、トンビに向かってガーガーと鳴き叫んでいる、まさにもっとも勇敢な姿をしていた。

 撮る瞬間に、音にも注意できるだろうか。五感の働きを同時に感知することはできないのだと、数年前インドのある聖者が話すのを聞いたけれど、それでもできるかぎり全感覚を研ぎすましてファインダーをのぞけたら、と想像ばかりが膨らむ。

 藤沢さんは、ほんとうに写真が楽しくてしようがないという感じだった。見習いたい。打ち込んでいる人からは、あふれ出るものがある。それがぼくにも伝染してくる。マーちゃんは、もうひとり会ってほしい人がいる、と言っている。写真家を目指す若い女性だそうだ。ぼくにも新しいスタートが訪れているこのときに、まさにグッドタイミングの出会いだ。写真を愛好する者同士、共に刺激し合えばいい。それぞれの思いを抱きながら。





| 22:48 | 写真 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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