kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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三日月にひと目惚れ
 やさしい空の色だった。はかない、という言葉が浮かんできた。淡い夕焼け。沈んでいったお日さまからの、きょう最後の贈り物だ。何度この海に来ただろう。テトラポットばかりが埋められて、今では水平線を見渡すポイントが少なくなっている。金沢からは少し遠いけれど、近郊ではこの高松の海が気に入っている。ぼくは静かに待った。どうやらいま、初めて出会うことができそうなんだ。きっと、そろそろのはずだ。すこしだけ色濃くなってきた冬の夕空を見渡している。まるで恋人でも待つ気分だ。風が冷たいだろうとダウンのジャケットとズボンを着込んだら、身体も心もぽかぽかしている。

 おや、あれか。ほんのりと、光が浮かび上がっている。三日月だ。声を出して、手をたたいて喜んだ。ぼくの気持ちなど届かないんだろう。何食わぬ顔をして、いつものように静かに現われた、ほんとうにそんな恋人のようだった。でも、なんてつつましいんだろう。新月よりも、満月よりも、ぼくは三日月にひと目惚れしてしまった。


 月暦師走、三日目の月だ。月の光が大好きだと言いながら、ぼくは三日月を三日月として見たことがなかった。ひと月の中のわずかに一日、それも夕方のこのひとときにしか出会えない。まだ言葉さえないころの人たちなら、きっと何度も見つめては、めぐっている月の、きょうがそのはじまりのときなんだと気づいていたかもしれない。ぼくもその三日月に、この生涯の一日に出会うことができたんだ。それだけでとけていきそうなほど柔らかな気分になった。

 能登海浜道は、渋滞というほどでもないけれど、数珠つなぎの列だった。対向車のヘッドライトはまぶしくて、鮮やかすぎる街灯の光がその上から覆いかぶさっている。目を凝らすと、ほんの一瞬だけ三日月が見えた。これじゃ、だれも気づかないはずだ。光の隙間の闇の中で、控えめに浮かんでいるだけなんだから。三日月がなんだかかわいそうになってきた。おかしな気分。それとも現代人の方がかわいそうかもしれないな。月と人間。ますます興味がわいてきた。


海と三日月









| 07:37 | 月的生活 | comments(3) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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Comment








潔いって言うより、ぼくには、そこはかとない、という感じさえしました。存在自体が、あぶなげで、ほとんど誰にも気づかれないはかなさのようなものが漂っていました。けっして力強くはないんですが、だからこそ感じるものがあったのかもしれません。月が恋しい、というときに、ぴったりでしょ、三日月。ぼくも月のこと、もっといろいろ知りたいなと思います。
posted by kazesan | 2008/01/12 6:09 AM |
そっか。三日月って、ゆうがたにほんの少しだけ淡く輝いて、潔く沈んでゆく月だったんですね。
カッコイイなぁ♪
なんだか生き方にまで影響されそうです。
posted by 〈な〉 | 2008/01/11 10:45 AM |
美しいですね。。。
こんなものに気がつくようにいきたい、です。
posted by まりりん | 2008/01/11 10:35 AM |
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