kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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楽々新道と岩間道
 楽々新道を登り、岩間道を下りた。白山に登るルートはいくつもあって、ほかにも石川県内だけで一般的な砂防新道や観光新道に加え、白山禅定道、釈迦新道、加賀禅定道、中宮道がある。これで一応ぼくもすべてを歩いたことになる。白山大好き人間としてはいつかはと思っていたので、達成感もあるにはあるけれど、この気だるさは気が抜けてしまったんだろうか。白山を知りつくしたなどと言えるはずもないぼくだが、すべての道を歩いてしまうと、それまでの憧れは当然薄らぎ、楽しみが減って損した気分だ。その分、白山は確かにより身近になり、それはとてもうれしいことだ。

 楽々新道とは名ばかりでけして楽な道ではない、というのはガイドブックなどが決まり文句のように書いている話だが、ほとんど見晴らしの利かない山道を登りながら、なぜこんな名前をつけたんだろうと想像して楽しんだ。楽、という字は、らくちんという意味ばかりじゃないだろう。音楽の楽もある、ということで、大声で歌いながら歩いた。

 歌は、里山を歩くときも歌っているホ・オポノポノを歌詞にしたもの。「ごめんなさい、ゆるしてください、ありがとう、愛しています」と歌っているうちに、なぜか「ごめんなさい」ばかりになった。別に赦しを乞わなければならない悪事ばかりを働いているわけでもないが、歌いながら感じたのは、世界のすべての現象とぼくの関わりだった。ほとんどのことはぼくとは無関係に見えるけれど、どんなつながりがあろうかなかろうが、世界のことを、世界の一市民として謝っている気分になった。

 秋山のそれも平日にこんな道を歩く人はいるはずもなく、それを歩いているぼくという人間は超暇人でほとんど社会には人畜無害という存在だ。なんのはたらきもしていない。なのに、歌いながら、そんなぼくだから、歌で貢献すればいいのだと思えた。たとえば熊の棲める奥山を守れない人間社会の一員として歌った。殺人まで犯してしまう尋常でない人間たちのひとりとして歌った。するとどうだ。これこそ楽々新道の楽しみ方だと思った。

楽々新道の小桜平の遠くには北アルプスの山並みが浮かんでいた。

 歌に飽きて、今度はひたすら歩いている自分を離れて感じてみた。黙って、黙々と歩いている。それが、いまぼくが生きているということでもあるのだとわかった。まるで歩く瞑想だ。これもこの道の楽しみ方かもしれない。楽々新道は、それぞれの楽しみを見つける道にちがいない。

 下山の岩間道は、これまたびっくりの難路だった。回り込みの少ない道の傾斜はほとんどいつも急で、しかも歩く人が少ないせいか石は苔むし、丸太の階段は崩れたものが多く、整備は後回しになるのかまるでジャングルの中を歩いてる気分になることもしばしばだった。滑らないようにと注意しながら何度も滑って転んだ。ところが、ここからが単純なぼくの本領発揮だ。もう二度と歩くもんかと投げやりになりそうなところを何度も気を取り直しては、そうだ、こんな自然豊かな道に似合った人になりたいと思った。動物たちはどんなに急斜面でも苦もなく移動しているではないか。自然が大好きだと言うのなら、身も心も自然の一員になりたいものだ。そう思うと、根がしっかりしている笹をつかんでバランスを取り、張り出した枝にぶらさがっては落ちそうな体を支えた。すっかりターザンの気分だった。

 二日間の往復で、およそ三十キロだった。その最後は、なんとも贅沢な露天風呂だ。岩間温泉と名前はあっても、岩を組んでコンクリで固めただけの自然度抜群の簡素なものだ。素っ裸になった姿をどこかで猿が見ていたことだろう。岩間道はあまり歩きたくはないけれど、疲れた足を湯に伸ばしながら、この風呂があるならたまにはいいかと思ってしまう。そのとき浮かんできた。楽々新道の謂れは、岩間道よりは楽ちんですよ、ということにちがいない。いずれにしても白山への道はバラエティに富んでいる。何度も何度も、登りたくなるはずだ。

岩間温泉は誰でも入れる無料の露店風呂だが、極楽気分は岩間道を下りてきたからこそだ。






| 20:01 | 日々のカケラ | comments(2) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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Comment








ひとりで歩いていると、ときどきいろんな人のことを思い出します。なおくんやKUN♪のことも。きっと寂しいんでしょうね。寂しくてもひとりで歩きたくなる。白山病かもしれません。
posted by kazesan | 2009/09/11 7:01 AM |
昨日から、
「kazesanは また白山を登っているんだって〜!
 なおとと行ってから、もう3回目だよ〜。」なんて
地図を広げながら、どきどきしていました。笑

「ホ・オポノポノ」のあの歌を歌いながらの登山も
またすてき。
石川県内からのすべてのルート達成おめでとう。

登って降りての露天風呂は また格別なんでしょうね〜。
ほんとうにお疲れさまでした。

posted by KUN♪ | 2009/09/10 9:41 PM |
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