kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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合流
 「ヤギおじさんと登る白山」の最大の出来事は、南竜山荘での合流だったかもしれない。四日間の全日程には参加できなくても、それぞれの都合や脚力に合わせて登り、途中で合流するという手があった。実際にそれを計画してみると合流ポイントまでの道のりにさらに楽しみが生まれ、離れて登っている別ルートの仲間を思いやるひとときは想像以上に豊かなものになったようだ。「砂防を登ってくる人たち、雨に遭わなければいいんですけどねえ」と、ヤギおじさんは何度も声に出して心配していた。メンバーの中に十歳のナオくんがいるからだろう。それでぼくはと来たら自分たちのことや周りの風景を堪能することに精一杯で、他を思いやるという深い情けが欠けているのかと、半ば呆れて思ったりもしたけれど。



 山荘にはぼくたちが一時間あまりも早く着いた。待ち合わせの時間を決めていたわけではなかったが、天候や初日のチブリ尾根を歩いたペースから判断して早めに行動したのが良かったようだ。山歩きのもっとも大切なことはこのゆとりなんだろうと、体験して思った。受付棟の二階が開放されていて、テツオとヤギおじさんがテキパキと昼食の準備をしてくれた。キャンプなどでもそうだが、こういうとき男はかいがいしく動きたくなるもののようだ。呆然とその様子をながめながら全体の流れに任せている気分は悪くなかった。ぼくもまたいつの日かの登拝では、同じように素早い行動で全体のお世話をするのかもしれない。

 歩きながら休みながらのヤギおじさんの解説つきで御舍利山を登った。

 「お、あれかな?」と窓から見えるグループを指差したヤギおじさんが、「お〜い、ナオくんか〜い?」と何度も大声をあげて呼びかけた。するとひとりが手を振った。どうやら、あれがナオくんのようだ。すぐに外へ飛び出して行ったヤギおじさんの後を追って、みんなで出迎えの準備だ。う〜ん、なかなかにドラマチックだ。ほとんどが初対面だが、今日からは山の、否、白山の仲間になるのだ。言葉少なに、ガッチリと握手を交わした。おしゃべりな人も口べたな人も、なんの遠慮もいらない。ここではだれもがそのままの自分でいていいのだと、ぼくは思ったりする。

 レイコさんと吉田さんのご夫妻は神戸と富士の麓から、クミコさんとナオくん親子は千葉の佐倉から。ヤギおじさんは山形の長井で、タカ坊は埼玉の志木。それぞれの暮らしがそこにある。日常を飛び出して、今白山に集っている。その六人を地元代表のナオコとテツオとぼくで迎えた。人数の多寡でなく、距離を越えたこの豪華な顔ぶれの中で、口に出しようのない恥ずかしさと軽い興奮を覚えた。

 別山から南竜馬場への尾根筋は高山の雰囲気をたっぷりと味わえた。

 受付を済ませ、案内されたのはわずかに六畳程度の小部屋だった。九人の簡単な寝具がすでに床一杯に敷かれていた。足の踏み場もないとはこのことだが、これがまた良かったのかもしれない。向き合うのではなく、間近にゴロリと横になって交わす会話ほどリラックスできるものはない。経験豊かな吉田さんが提供してくれた話題のひとつは、フォトセラピーだった。ライフスタイルまで変えないとそろそろ行き詰まっているぼくだから、これは未来を開く大きなヒントになりそうだ、と感じた。

 自然解説員について小一時間ほど周辺を散策したあと、五時半から夕食。山の食事は早い。出されたメニューはあまりにレトルトでがっかりだし、ご飯の炊きあがりはイマイチ、みそ汁さえお替わりできないのには不満だったが、おしゃべりが最高のご馳走で、おいしいねと言いながら食べた。ヤギおじさんの「朝日連峰の山小屋のおにぎりは絶品ですよ」との言葉を一度確かめに行きたいものだ。食事が終わって全員で輪をつくり、自己紹介がてらのあいさつを交わした。それぞれのひと言を聞きながら、いま出会っているのだと、また軽い興奮を覚えた。白山の菊理媛はご縁を取り持つ神さまでもある。ヤギおじさんがポツリと言った。「なんだか初めて会ったのだという気がしませんね」。いよいよ明日から全体行動が始まるのだ。

 南竜山荘を背景に全員で記念の一枚。実はこれは一日繰り上げて下山開始となった最終日の場面。






| 13:28 | 白山 | comments(2) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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Comment








そうですかあ、見た目はあまりに狭かったもんですから。半畳程度のマットがひとり分のスペースでは、同調するしかなかったのかもしれませんね。2010年に向けて動き出した葉っぱ塾の近未来が楽しみです。
posted by kazesan | 2009/08/19 10:16 AM |
 いよいよ「合流」まできました。南竜山荘のあの部屋が6畳程度だったかどうかは怪しいなあ。ふとん10枚分だからたぶん10畳ぐらいあったのではないでしょうか? 真ん中に頭を寄せ合うようになっていたのは、脳波の同調でも誘うためだったでしょうか?

 「葉っぱ塾・白山を歩く2010」は、もう動き始めています。
posted by ヤギおじさん | 2009/08/18 8:42 PM |
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