kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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感謝のコツ
 感謝することの大切さをよく耳にするけれど、人間は、否、ぼくは、なぜ感謝を忘れてしまうんだろう。そして、さらに突き詰めれば、なぜ感謝が必要なんだろう。荒れ狂う感情を抑えるためだろうか。感謝でもしなければ、この世はますます憎悪に満ちて、荒み切ってしまうからだろうか。だがそれでは、感謝とは対策を講ずるための一手段に過ぎないではないか。

 感謝は、しようと努力するものではなく、自然にわき上がってくるものだと、ぼくは思っている。だからだろう、いつも感謝が足りない。

 アート・オブ・リビング・セミナーの中でも、ユージンとマーシャが何度も感謝の大切さを説いた。感謝が多い人ほど幸せになる、というわけだ。その通りだろう。反論の余地はない。だがしかし、感謝が何よりも先に来る人を尊敬しながら、ぼく自身にはそれは至難の技に思えてしまう。まったくもって情けない人間にはちがいないけれど、わき上がってくることが滅多にないのだから仕方がない。



 そんなぼくにも、ユージンが教えてくれた感謝するコツは、なるほど、と思わず頷いてしまう優れものだった。「なんでもいいから持っているものを手にしてください」との呼びかけに、ぼくはメモに使っているペンを持った。安価で書き味抜群のお気に入りだ。「それでは、それがなくなったと想像してください」。簡単にイメージできた。思いついたことを書き留めようにも、もうこの手にはペンがないのだ。そう思った瞬間、手にしているペンからじわりと熱いものが流れ出した。思わずペンに向かって、「ありがとう」とつぶやいた。熱いものが体に広がって行くのがわかった。

 3年前のあの夜を思い出す。ユコタンが死んだ夜だ。ひかりっ子くらぶのこの相棒と、ぼくはよくケンカをした。そんなときはいつも、めんどうくさい、別れてしまえと思ったものだ。それなのに、もうこの世に相棒はいないのだと思った瞬間、体からありとあらゆる力が抜けていった。心も体もからっぽになって、病院への道をただふらふらと歩いた。それからの日々で、ユコタンがどんなに大切な友だったのかと思い知った。失うまでわからない、ぼくは大うつけ者だった。

 同じ過ちはおかさない、それが亡き友へのせめてもの恩返しだと思ったはずのぼくは、すっかりその誓いを忘れている。ペン一本の話ではない。今ふれあっているすべての人のことだ。どのふれあいも、いつか、もしかすると今すぐにでも終わってしまうものだ。それを知っていて、感謝できない、ということがあるだろうか。

 ああ、でも、なぜ感謝が必要なんだろう。なぜ幸せにならなければならないんだろう。草花のように、田んぼで孵るカエルのように、当たり前のようにして、なぜ人は生きていられないんだろう。感謝が足りない人間には、どうやら人生の深淵は見えないようだ。




| 22:15 | アート・オブ・リビング・セミナー | comments(0) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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