kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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親父と息子
 「99歳の父が示したチャレンジ心」という記事を読んで、世の中にはすごい人がいるものだと恐れ入った。二三年前この話の主の三浦雄一郎さんを取材させてもらったときも、半ズボン姿の太ももがキュンと引き締まってしかも図太く、この足でエベレストに登るのかと驚いた。65歳を過ぎて一律に老人扱いにされたのでは、とんでもない混乱が起きる世の中がやがてやって来るだろう。

 それに引き換え、きょうも通院する病院へ送ったうちのおやじには、もはやチャレンジする気などさらさらないだろう。ただ無為に余生を送っている、としか思えない。よく聞こえもしない耳をして、テレビの前に日がな一日座っている。

 「どこに行くのかもわからんと、ほんとに気楽なもんや」と、病院への車中でおふくろがつぶやいた。「わからんのなら、行かんでもいいがいね。病は気からの、その気がかりがないんやから。どっか痛いわけでもないんやし。おふくろが気にしてるだけやろ」。つい日頃思っていることを口にしてしまった。「そんなひどいこと言わんでも・・・」と、おふくろはまたつぶやいた。我の強かったこの人も気弱になったもんだ。老いてゆくふたりを見ていると、だれの人生もいつかこうして枯れてゆくのだと、不思議とやさしい気持ちになってしまう。



 人生は様々だ。ぼくは、これからをどう生きようか。少なくともおやじ似で、チャレンジ精神などは必要なさそうだ。だがぼくらしく、とも思わない。大体、ぼくらしいという確かな形もないだろう。すこし前なら持っていた、人生を楽しもう、という思いも、今はどこかへ消えて行った。まるで生きる意味を失ってしまったような気分だが、もともと意味などあったのだろうか。毎日が平和なら、それでいいのだろうか。自然に寄り添って暮らせたら、それで十分だろうか。なぜだろう、肯定的な話がどれもこれもとてもウソっぽいものに思えてくる。

 また大相撲が始まって、新聞の取組欄に白と黒の丸を記入しているおやじだ。だれが勝っても負けてもどうでもいいことが、おやじの大きな仕事になっている。ああ、とすこしため息をつきながら、それでもぼくはそんなおやじがどうやら好きになってきた。できることならおやじみたいに、気楽に日々を送る息子だ。





| 23:46 | 日々のカケラ | comments(4) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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Comment








ぼくはなるべく人の今だけを見ないでおこうと、おやじのそばで感じています。軍隊へは自ら志願し、まじめ一徹、仕事一筋だったから、定年後は静かにしていたいのかもしれないと思うこともあります。ぼくはこのおやじの働きのおかげで、ここまでなに不自由なく楽しんできたことを忘れないでいようと思います。何ごともひとつの要因だけで成り立っているのではないこと、ぼくには知らないことがいっぱいあること。それらを忘れないでいれば、ずっとやさしくしていられるような気がしています。
posted by kazesan | 2009/05/14 12:33 PM |
こんにちは
影なから毎日こっそりのぞきにしてます。(笑)
わたしは昨年、一年間だけ両親と一緒に暮らしました。
日がない一日テレビの前に座っている母を見るのは正直とても苦痛でした。
両親にはもっとしゃんとしていてほしいという思いがあったのかもしれませんね。買い物と病院以外はずっとテレビの生活....。残り少ない人生がそれで、母は満足なのか?
そんな母を子はどのように見守っていったらいいのか.....
kazesanの言葉がず〜んと胸にひびきました。
結局家を飛び出してしまいましたが、また近い将来一緒に暮らす事もあるかもしれない。
今度は暖かい目で見られるかも....って
少しだけ前向きになれました。
感謝です。
ありがとうございます。
posted by りん | 2009/05/14 10:39 AM |
Everything is OK. いい言葉やね、心地いいね、この響き。いろんなこと区別してきたからね、ぼくたち。離れてみたいことはあっても、Everything is OK!と言って、離れて感じていればいいね。それだけでいいんだ、なんてひとつ前進♪
posted by kazesan | 2009/05/14 9:43 AM |
ますやん、こんにちは。
ひさしぶりです。

>肯定的な話がどれもこれもとてもウソっぽいものに思えてくる。

これ、とってもよくわかる。私も同じです。何でもかんでも、肯定的でないとダメみたいになってくると、しんどい。

否定的な感情を否定しなくちゃいけないのは、辛い。息が苦しくなります。

それに、近くに否定的な人がいると、腹が立ってきたり、家族なんかだと、なんで!と怒ってしまったりする危険も。

否定的になることがあったっていいさ、どこが悪い、自然なことさあ〜って思っていられれば、楽になって、知らないうちにふつうになれる。

Everything is OK.
posted by satoko | 2009/05/13 7:26 PM |
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