kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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ふきのとう味噌
 「立春かあ。青空が気持ちい! 春を探しに行きたくなるなあ」。出掛けにのんきなことを言うと、「フキノトウとか、今頃やね」とヨシエどん。「そうか」と、裏庭に回ると、「いたいた」。毎年見逃していたから、その時期に出会うとそれだけでうれしくなる。「よし、フキノトウ味噌を作ろう」。沖縄行きの前に済ませておきたいことがいくつもあるというのに、春ときたらまったく気ままなもんだ。適当なのを摘んでいると、辺りにフキノトウの匂いが広がった。ウキウキしてくる。立春だもんな。人間だって、自然のリズムを感じている。

 さっそく作り方を調べた。「なあんだ、案外簡単じゃないか」。おふくろまでやってきて水洗いをしてくれた。フキノトウを調理したことがないというから恐れ入った。その息子がするはずもない。なにやら少し面倒臭そうなヨシエどんだったが、ここは低姿勢にいろいろお願いしなければならない。「ねえ、すり鉢ある?」。「ブレンダー使うとなめらかで美味しくなるよ。あっ、湯がくの、それくらいで十分かも」。たまに台所に立つのもいいもんだ。楽しい。「やっぱりすり鉢にしようかな」などともう一度頼んで出してもらう。


 熱湯でサッと一分ほど湯がくと、緑がなんとも美しい。「きれいだなあ」。言葉だけじゃ足りない。わざわざ外に出して、記念の一枚も撮ってやった。「みじん切りして」。「はいよ」。ザクザクと切ったあとは、味噌、酒、みりん、キビ糖といっしょに煮込む。味見をすると、少し塩加減が強い。「味噌を入れすぎたかなあ」。「じゃあ、ハチミツを少し入れてみる? つやも出るわよ」。「おお、ほんとだ」。ついでに玄米甘酒も追加。「なんだか暮らしてるって感じがするね」。呆れ返ってヨシエどんは笑っているだけだったが、ぼくはますます楽しくなってきた。

 十分ほど煮込んでいると水気も減って、そろそろすり鉢の登場だ。ガリゴリガリゴリ。緑濃い香りが広がってくる。「う〜ん、いい感じだねえ」。何がいい感じなのか自分でもよくわからなかったが、きっと自分で作るということが不足しているぼくの変化がいい感じだったのかもしれない。「ああ、こんなふうに暮らしたいなあ」。正直な気持ちだった。『神の使者』などを読んでいると、この世の現実はすべて幻になってしまうけれど、「いいじゃないか、ぼくは幻想と知りながらその幻想を楽しめる人になりたい」と、心でつぶやいた。ヨシエどんがかわいいうさぎの形をした薬味入れを出してきた。ほら、はじめての自家製ふきのとう味噌の出来上がりだ。

 立春だ。七十二候は、東風解凍(はるかぜこおりとく)。めぐる自然を感じよう。気持ちいいなあ、ぼくの中でも新しい命が静かに芽吹くようだ。







| 13:25 | 日々のカケラ | comments(0) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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