kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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カラスの常識
 近所にできた大型書店をのぞくのが、たまのことだが面白い。よくもこんなに沢山の本が出版されるものだと驚くばかりに並んでいる。この中から読みたい本を探せと言うのか。よっぽど暇な、つまりぼくみたいな人間じゃないかぎりちょっと無理な相談だろう。それでも興味のありそうなものは限られている。ケータイ小説っていったいなんだ。気にもなるが、開く気にもなれないデザインだった。

 そんな中で、柴田佳秀『カラスの常識』(寺子屋新書)というのを見つけた。ベストセラーなどよりも今の気分にあった一冊に出会うと、それだけで豊かな気分になるというものだ。

 カラスなんてどれも同じかと思っていたら、なんと日本には七種類ものカラスがいる。と言ってもほとんどはハシブトガラスとハシボソガラスの二種類で、あとは渡り鳥だ。カラスも海を渡るのか、と、それにもまた驚いてしまう。身近なカラスのことをぼくはなにも知らないんだなと、読むほどに唸ってしまった。

 カラスは黒くて不吉で、ゴミをあさり、人をも襲うやっかいもの、などと多くの人に思われている。(みなさんはいかが?)ぼくは、やっかいものだとは思っていなかったが、取り立てて興味もなかった。ということは、いつものお得意の、無関心を決め込んでいたわけだ。読後に思ったのは、カラスに申し訳なかったなあという反省だった。

 散歩からの帰り道、なにやら白いものをくわえて、まだ水の残る田んぼに一羽のカラスが舞い下りた。白いものは発泡スチロールだろうか。それを横に置いたかと思うと、溜まり水の中に嘴を入れてなにやらついばみはじめた。お腹が空いたら、迷わず下りてそこらのものを食べるんだろうか。三口ほどパクパクさせて、辺りをチラリと見やっていた。白いものをくわえなおしてまた飛びたっていった。きっとあれは巣材に違いない。

 この行動パターンは、どうやらハシボソガラスだ。草原のカラスとも言われるそうだ。よく見ると嘴から額へのラインが斜めに平坦で、嘴が細い。間違いないな。ぼくにとってこれまでただのカラスだったのが、急に親しみがわいてくるから不思議なもんだ。相手のことを知るということが、関係を結ぶ上でどんなに大切なことだったかと気づかされる。


 カラスは誰もが知る通り、野生の生き物だ。その辺の犬や猫のペット類とはわけが違う。それなのにあまりに軽視されていないだろうか。しかも有害鳥獣のひとつとして扱われている。2005年の東京都の発表によると、都内の公園に設置した100基あまりのトラップで捕まえた数は、4年間の合計がなんと51,188羽だとか。そのすべてが殺された。

 カラスはしかし、国づくりの神話にも登場する神聖な存在でもある。星野道夫さんの著書の中にもワタリガラスが何度も出てくるし、身近なところで、東京府中の大國魂神社の「すもも祭り」ではカラスの団扇を求めて行列ができるのだと紹介されている。数年前にたずねた熊野三山でもカラスは神の使いとして信仰されていた。もてはやされたかと思えば虐げられ、人間の勝手な振る舞いでカラスは散々な目にあっているのかもしれない。

 カラスが、オウムのようにしゃべるのを知っている人は少ないかもしれない。ぼくも知らなかった。ニューカレドニアのカレドニアガラスは、小枝で道具を作り幹の中に隠れているカミキリムシの幼虫を釣って食べるそうだ。道具には地域の実情に合った特色があるというから驚きだ。東京のゴミをあさるのは森のカラスと言われるハシブトガラスで、おそらくコンクリートジャングルを森に見立て、ゴミ袋は獲物そのもの。彼らは野生の習性を生きているに過ぎないという。食べ残しの肉類などゴミ袋の中味はそうなると、獲物の臓物といったところか。ちなみに同じ都会でも大阪は、早朝にゴミを収集してしまうのでほとんどカラスはいないそうだ。

 賢いカラスを相手に、なんと自分勝手な人間社会だろうか。人間が森を壊し、森に棲めなくなった生き物は否応なしに町に出てくる。町をカラスに適した環境にしておいて、カラスの常識を知らない人間たちは、ただただ邪魔者は消せと横暴極まりないのだ。

 困っているのは、もちろん、クマだけじゃなかった。カラスもいたのか。他には何がいるんだ。地球上の生き物すべてに聞いてみたい気がする。これからの人間はいったいどうしたらいいんだと。

 窓の外にはつがいのカラス。ときどき留まっているのは、もしかするといつも同じカップルなんだろうか。ウグイスの雄は複数の雌と交わるそうだから、習性の違いとはいえ、生涯を添い遂げるというカラスがなんだかいじらしくなってしまう。




| 16:19 | 日々のカケラ | comments(2) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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 そのギャーギャーは、ハシボソガラスですね。ハシブトがカァーカァーだそうです。さすが北の大地のお婆! 「熊」を語り、熊森の力にもなる。おまけにカラスにもアドバイス。『カラスの常識』の著者の柴田さんは、人間と野生は離れていなければならないと締めくくっています。カラスも野生。ゴミステーション廃止なんて進んでますね。なんでも先進国でゴミ袋を使っているのは日本だけだそうで、日本人の意識って高いのか低いのか、住んでいながらよくわからなくなります。奥山を守ろうと立ち上がっている自治体がないということは、やっぱり低いんでしょうか・・・。
posted by kazesan | 2008/06/06 6:45 PM |
今朝、小雨の中、「グガァァァー!!」「グガァァァー!!」と只ならぬ鳴き声の一組のカラスが飛んで来て目の前の電線に停まった。重たくて、疲れ切ったような声・・・あわてて窓辺に駆け寄って、「どうしたの?」「なにかあったの?」と窓越しに彼らに声を掛けたら「ンガァ〜ァ〜」「ンガァ〜ァ〜」と啼きながらこちらに向きを変えました。「そんなところに居ないで、早く雨宿りしなさい♪」と言ったらお向かいの屋根に飛び移りました。ところが急にお互いに尻を合わせキョロキョロと何か探している様子・・・あっ!そうか!今日はゴミ収集日!、、、でもこの辺は自宅前の収集に変わったので、もう、ごみステーションはありません。「そっか〜♪お腹がすいてんだね〜〜♪」「街中から生ゴミが消えつつあるから、君たちもそろそろ人間を当てにしない生活を考えなきゃねぇ〜♪」なんて話してたら「くわあぁ〜〜!」と一声残して雨の中、東と西に低空飛行で飛び去りました。そういえば、2006年ごろ「kazesan gallery」のカラスの写真でカラス談義をしましたね♪
ところで今日6月6日、100万人の1人になれる事を祈って、熊さん仲間に加入しました。月輪熊ではないけれど、友人と共に「イヨマンテ」のひとり語りの舞台を続けた一年、今年も続けて「熊」を語っていきます。
posted by お婆 | 2008/06/06 1:33 PM |
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