kazesan3風の吹くままカメラマンの心の旅日記

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トンネル
 長いトンネルを走っていると、ときどき、昔見た「タイムトンネル」というテレビ番組を思い出す。トンネルを抜けると、今とは違う時代に転がる出るやつだ。出口に近づいて外の光が見え出すと、そんなシーンが浮かんできて軽い興奮を覚えながら速度を上げたりする。

 これがタイムトンネルだと知っているなら、それはそれで安心していられるけれど、人生には不安に苛まれる見えないトンネルというものもあるかも知れない。とは言いながら、平々凡々にここまでやってきたぼくには闇の経験がない。良かったじゃないか、というよりは、寂しいような物足りないような、だから本物の優しさも深い味わいもない凡夫なのだと思う。人生にはきっと、トンネルが必要なんだ。闇に包まれて先が見えない、という経験をしなければ、なにかを目指すという行動が本物にならないだろう。

 車の運転ぐらいならどこかに目的地を設定する。けれども毎日の暮らしに大仰な目的など必要ないし、だから今が昼か夜なのかさえ、ほとんど意識することがなかったぼくだ。要するに、ただ漫然と生きてきた。


 小浜のお水送りの翌朝、遠敷川沿いの下根来という山里に車を停めた。東大寺二月堂への香水を流した舞台のある鵜之瀬の近くだ。その夜は大勢の参拝客から離れてひとりで過ごしたが、それだけではあまりに芸がない。せめて朝の風景でも見ておこうと思った。持参した携帯コンロを取り出してコーヒーをいれた。焼きたて、という看板に誘われて買っておいた地元のミルクパンもまずまずの味だ。勢いのある川の音に包まれて、昨夜の神事を思い出す。いったいなにしに小浜まで来たのかと、自分がおかしくなる。誘われて来るだけなんて、不甲斐ないやつだ。

 目の前を母親と祖母のふたりに見送られてきた小学生が通った。うつむき加減でなんだか憂鬱そうな少年だ。豊かな自然に囲まれた里の子ならもっと元気があってもいいだろうに、などと少年の気も知らないで、勝手なおとなのぼくだ。元気があればそれでいいのでは、けしてないだろう。軽い朝食を済ませて、停車させてもらったお礼にと八幡さんに手を合わせた。あの少年、今日一日あんなだろうかと、少し気になった。ぼくも君とおんなじだよ。今はトンネルなんだよ。トンネルは必要だ。雨露をしのげるし、わざわざ目を閉じなくても自分が見える。それにもしかしたら、少しは本物に近づけるんだ。




| 12:27 | 日々のカケラ | comments(3) | trackbacks(0) | posted by マスノマサヒロ |
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奈良のトンネルで、その先を見ています。
今年はゆっくりかな。
でも、きっと来てくれる。
春。
posted by Rupa | 2008/03/08 12:55 AM |
ありがと。タイムトンネルみたいでしょ? って、madokaさんは知らないか。
posted by kazesan | 2008/03/07 9:32 PM |
kazesan!写真むっちゃカッコイイーっ!
posted by madoka | 2008/03/07 1:46 PM |
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